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TP作成による「教育活動の可視化」は,業績の公正な評価につながるばかりではなく,教育改善にも有効です.こうした効果を有するためには,TPが高い質 を保っていることが必要ですが,TPの質保証はその作成の場であるワークショップの質によってなされると私たちは考えています.では,ワークショップの質 を高く保つにはどうすればよいのでしょうか.この問いに対する一つの取り組みとして,ワークショップの質についての基準を提案することにしました.本基準 は,2012年10月23日に原案が作成され,2013年3月10日にティーチング・ポートフォリオ・ネットワーク第一回会議における議論を経て,Ver1.1としてここに公開されました.策定メンバーなどの詳細は末尾の更新履歴をご覧ください.

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ティーチング・ポートフォリオ・ワークショップ基準ver.1.1 2013年3月17日

はじめに

基準制定の目的

  • WSにおけるティーチング・ポートフォリオ作成プロセスの意義が最大限となるようなWSのあり方の基準を示す.
  • WS基準を満たしたワークショップ実施体相互のネットワークを構築し,ティーチング・ポートフォリオの導入・活用等の情報共有をはかる.

基準制定の主体

TPワークショップ基準は,ティーチング・ポートフォリオ・ネットワークによって提案されたものである.

基準と努力基準について

WS基準は,7つの「基準」と4つの「努力基準」から構成されている.
「基準」は,WSを開催するにあたり満たすべきもの,「努力基準」は,WSを継続的に開催するにあたり,目指すべきものとして定められたものである.

構成

  • 基準1 WSの目的
  • 基準2 組織体制
  • 基準3 メンター・スーパーバイザー
  • 基準4 内容および方法
  • 基準5 成果
  • 基準6 環境・協力体制
  • 基準7 ワークショップの評価
  • 努力基準1 解放性
  • 努力基準2 更新プログラム
  • 努力基準3 継続性
  • 努力基準4 財政基盤

ワークショップの基準

基準1 WSの目的

1-1 WSの目的

WSの目的が定められていること.
*例)個々の教員の教育改善を目的とする等.

基準2 組織体制

2-1 ワークショップの体制

ワークショップにおいて一人のメンターが担当するメンティーの数は3名以下であること.
メンターチームが編成され,チーム毎にスーパーバイザーがおかれ,メンタ—ミーティングが設定されていること.
一つのメンターチームが担当するメンティーの人数は最大で12名であること.
メンタリングは,メンターとメンティー間で1対1を原則とすること.

2-2 メンターの役割

ポートフォリオ作成時の担当メンターがメンターやメンティーの経歴・専門分野などを考慮し適切に割り当てられ,TP作成ワークショップにおける最終稿(以下「TP最終稿」という)まで責任を持つ.

2-3 スーパーバイザーの役割

スーパーバイザーがおかれ,メンターチームの運営を適切に行うこと.新任のメンターのアドバイザーとなること.

基準3 メンター・スーパーバイザー

3-1 メンターの要件

TPを書いた経験があること.かつ,ワークショップ実施体もしくはメンターチームからの推薦があること.

3-2 スーパーバイザーの要件

TPを書いた経験があること.メンター経験が複数回あり,スーパーバイザー経験者からの推薦があること.

基準4 内容および方法

4-1 事前課題

実施体からスタートアップシートなどの事前課題が提示されること.

4-2 スケジュール

TP最終稿作成完了までのプロセスが明確に定められていること.

4-3 メンタリングの回数と時間

TP作成に十分なメンタリングの回数と時間が設定してあること.目安としては,メンタリング3回以上合計2時間以上が望ましい.

4-4 作成時間

TP最終稿の作成完了までに要する時間として十分な時間が設定されている.目安としては10時間以上とすること.

4-5 交流会の設置

教育やその他について語り合うプログラムが設定されていること.

4-6 ハイライトの発表・披露

TP発表のためのプログラムが設定されていること.質疑応答の機会・時間が組み込まれていることが望ましい.

基準5 成果

5-1 修了証授与基準

修了証を授与する基準が定められていること.

5-2 TP最終稿作成完了率

ワークショップ参加者のTP最終稿の作成完了率が約9割を超えること.

基準6 環境・協力体制

6-1 適切な空間環境の整備

ワークショップ開催場所の執筆スペース,メンタリングスペースなど,必要な空間が確保されていること.

6-2 ネットワーキング

実施体間の協力体制があること.

基準7 ワークショップの評価

7-1 評価活動

事後アンケート等を実施し,ワークショップの評価を行う体制があること.

ワークショップの努力基準

努力基準1 開放性

ワークショップの目指す方向が,基本的に学外にも開かれており,学外者がメンティーあるいはメンター,スーパーバイザーとして参加しうること.
ウェブサイトなどでワークショップの実施が学内外に告知されていること.

努力基準2 更新プログラム

更新WSあるいはアカデミック・ポートフォリオ作成WSなど継続的な活用のためのプログラムが整備されていること.

努力基準3 継続性

ワークショップが1年に少なくとも1回開かれており,今後も開催予定があること.

努力基準4 財政基盤

ワークショップを実施するための組織的な予算措置があること.

更新履歴

  • 2013.3.17 TPワークショップ基準 ver1.1 公開
  • 2013.3.10 ティーチング・ポートフォリオ・ネットワーク第一回会議にて
    ティーチング・ポートフォリオ・ワークショップ基準ver.1.0公開

    ティーチング・ポートフォリオ・ネットワーク発起人(五十音順)
    尾澤 重知* 早稲田大学人間科学学術院准教授
    北野 健一*  大阪府立大学工業高等専門学校准教授
    栗田佳代子  東京大学大学総合教育研究センター/大学評価・学位授与機構准教授
    榊原 暢久  芝浦工業大学教育イノベーション推進センター/工学部教授
    竹元 仁美*  聖マリア学院大学母性看護学・助産領域准教授
    秦  敬治*  愛媛大学教育・学生支援機構教授
    松本 高志* 阿南工業高等専門学校准教授
    皆本 晃弥*  佐賀大学大学院工学系研究科知能情報システム学専攻准教授
    *印:大学評価・学位授与機構プロジェクト研究協力者

  • 2012.10.23 原案作成(所属は当時のもの) ver.1.0
    メンバー
    北野健一  大阪府立大学工業高等専門学校 准教授
    栗田佳代子 大学評価・学位授与機構研究開発部准教授
    竹元仁美  聖マリア学院大学母性看護学・助産領域 准教授
    大竹奈津子 愛媛大学教育・学生支援機構 助教
    皆本晃弥  佐賀大学大学院工学系研究科知能情報システム学専攻准教授